マンションの管理と言えば、管理組合を結成して管理組合が全てを行う方法が自主管理です。しかし管理組合を結成するが、その管理を管理会社に委託する方式が一般的です。いずれの場合も、管理の現場に常駐し先頭に立つのが管理員です。雇用主が管理組合の場合も、管理会社の場合もあります。
マンション管理員とビル管理員とは、作業内容には類似事項が多いと思います。大きく異なるのは、利用者がビルと言えばビジネスマンが多いこと。マンションは私的・家族利用者が多いことですが、決定的に異なるのは「建物の区分所有等に 関する法律」と言う法律によって、マンションの管理にはビル管理にはない制限があることです。
夫婦での住込み、通勤一日勤務、隔日/半日勤務 等々 があります。管理会社に雇用されている場合は、社員として各種社会保険等の加入が可能の場合もあります。
管理会社はマンション管理を受託した場合には、通常「マンション管理委託契約」を締結し管理会社の業務範囲を明確に致します。管理会社は、受託した業務を業務量に応じて社員に分担します。マンション標準管理委託契約書による「管理員業務」と分類されている業務が管理員の最小限の分担業務と言えます。
※「管理員業務」:①受付業務 ②点検業務 ③立会業務 ④報告連絡業務 の4つ
管理業務を一括受託した管理会社は、専門を要する業務はその専門家や資格者が対応しますが、マンション現場に常駐する「管理員」は連絡や立会等の補助作業を求められる事になります。設備・機械・施設等の日常点検は、やはりマンションに常駐する「管理員」の主要な業務とされます。
管理会社が管理すると言っても、マンションに常駐しているのは「管理員」です。管理に関する業務は、まず「管理員」が窓口にならざるを得ません。隣人との騒音問題も、ごみの置き方違いも、違法駐車も、ペットの糞尿も、ベランダの使用違反も、しつこいセールスマン対応も、雨漏りも設備のクレームも、生活上の愚痴も苦情も「管理員室」に持ち込まれます。風水害の被害、小火、自殺者、孤独死、転落事故、喧嘩、救急者対応、AED使用等の事故・災害があれば、取り急ぎの初期対応を求められます。勤務時間を超える事故には、時間外の対応を余儀なくされます。
契約に定められた定例業務を行うだけではなく、現場常駐者としてはマンション管理に掛かる全ての業務についても当然に処理する事が求められます。必ずしも、明確な権限もなく、明確な教育指導もなされないままに、上手に処理をする事だけが求められております。マンションの現場常駐者「マンション管理員」の対応は「管理会社」の対応そのものと評価されます。時に、マンション管理員は会社の代表者でもあるのです。こうした場面で「管理員」は咄嗟の判断、機転、コミュニケーション能力、公平感、守秘義務といった能力が試されます。そうです、マンション管理員は専門職でなければ務まりません。
多くの管理会社は、新規の管理マンションを受託する都度、或いは従前の管理員が退職する都度、職安等を通じて管理員を募集します。勿論募集は、伝手を頼ることもあります。某大手の管理会社の担当者からは、一人の管理員募集に対して、問い合わせを含めると50~100人の接触があると聞いております。書類審査でふるいに掛けられ、面接に行けない人も多数おります。履歴書には、嘘を書けません。しかし熱意を示すことは十分可能です。履歴書でのアピールは今後の貴方しだいです。関連資格の記載が大きなポイントになることは言うまでもありません。